第16回菜の花サミット宣言
第16回全国菜の花サミット in やまと
~循環型社会へ向けて菜の花でつなぐ日本の『道』~
サミット宣言
私たちの住む地球は、今から約46億年前に誕生し、38億年前に最初の生命が、500万年前には人類が出現したといわれています。そして、地球環境と生物はその相互関係の中で変化や進化をし、18世紀半ばから始まった産業革命以降は人類が地球環境に多大な影響を及ぼしてきました。近年、地球環境の危機が叫ばれているにもかかわらず、一方では世界各地で争いが絶えず、多くの難民が路頭に迷い飢餓に苦しむという深刻な状況が続いています。そのような中、昨年(2015年)暮には、気候変動に関する国際会議COP21が開催され、温室効果ガスを産業革命以前にもどす努力をするというパリ協定が締結されました。このような中で、全国の菜の花プロジェクトが一堂に会して、これからの社会のあり方を展望し、日本の『道』を考えあうのは意義あることと言えます。
奈良(大和の国)には、縄文弥生から古墳時代を経て奈良時代に至るまでは、優れた文化・技術・宗教・学術を渡来人と共に受け入れ、千年余の年月をかけて日本の土壌風土に最も適した形で醸成しつつ、「調和」と「共生」を重んじる国づくりの中心を担ってきた歴史があります。
昨年、菜の花プロジェクトの発祥の地、滋賀県で第15回全国菜の花サミットが開催されました。これまでの15年間の取り組みの評価のもとに、新たな菜の花プロジェクトの方向性が示されました。第16回目の奈良大会では、日本人が今まで育み守ってきた自然に対する考え方を取り戻し、現在の行き詰まった社会から脱却し、新しいライフスタイルの変換や社会システムを再構築する『道』をともに考える大会となりました。私たちは、「観光とはその国・その土地の光を観せること」ととらえ、国のまほろば「やまと」から、外見的にも内面的にも美しい国造りのモデルを発信していけるよう、サミットに参加された皆様とともに以下の宣言をします。
子ども達とともに持続可能な社会づくりを目指します。菜種の栽培を通して持続可能な開発のための教育(ESD)を推し進めていきます。未来を担う子ども達が菜の花栽培を通して、自然界の循環の仕組みを学び、菜種油を地域の社寺に奉納することで、地域に残る自然や文化への関心を高め、世界に誇れる遺産にしていきます。
菜の花栽培が、食・農・健康・観光などのキーワードをつなぐ活動の基調とし、日本全域に広がることを目指します。菜の花を巡るウォーキングやサイクリングで菜の花イベント、地元の農家が作る安全な食材を使った料理店などをつなぐことで心と体の健康を取り戻す活動につながります。
菜の花プロジェクトを通じてごみ資源の活用、クリーンなエネルギーの利用や省エネルギーの普及啓発活動等、環境負荷の少ない持続可能な社会の実現に向けて、多くの環境団体や自治体・企業とつながりを広げながら、共に協力して推進していきます。
平成28年(2016年)4月9日 第16回全国菜の花サミットinやまと 参加者一同