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巡らせる誕生日

2020年11月13日
125215868_1298664570484144_5935758398099484568_n今日はわたしの誕生日。2年前は図らずも100人の高校生を前に講演(というか、「ワールドカフェ」という複合型ワークショップのファシリテーター)という、この上ない幸せを味わいましたが、今日は今日で「これこそ最高の誕生日!」となっています。ある方にプレゼントをお贈りするのです。プレゼントを贈ることができる誕生日とは、なんと豊かなことだろうと一人幸せに浸っています。
贈るものは、ここ数年お贈りしようと思ってついに実現させることができたカバンです。
結城紬で腕の確かな知人につくっていただいたものです。

身の回りのありとあらゆる書類をデジタル化している最近、雑誌「オルタナ」2007年10月号が出てきました。
今から13年前の雑誌なのに、全頁新鮮な内容で、思わず目を通してしまいました。
中でも田口ランディさんの随筆には共感しきりです。今もまだブームは続いていて、わたしもそれにのっかっている一人ではあるのですが「捨てて開運」に疑問、という内容です。
「ごみを捨てて幸せに」ということには何かが欠けているように思う。ごみを不幸の元と考えるのには賛成できない。と。
さらに、熊本県水俣市の水源地で産廃処分場建設話があり、反対運動が起こっているということが例示されていて「ごみを捨てて幸せに」ということは差別意識とつながっていて怖いと書かれていました。
2007年時点で、そのようなことがあったと初めて知りましたが、わたしもごみを捨てて幸せに、ということについてこの田口さんのお考えに同感です。
「ごみ」が自分の目の前からなくなりさえすれば、きちんとしたことになると考えることには疑問でした。
「ごみ」だけでなく、ありとあらゆるものは存在が消滅するわけではなく、形が変わるだけではないでしょうか。
または物質的に変わることができずに害になる形で残る。
なので、大事なのは「巡る」かどうかだと思っています。
なので、モノをなるべく循環させるほうに加担すべく、小さな取り組みをやってきました。
その中の一つ、和服のリサイクル。洋服のように海外の中古市場でも売れず、処分するしかない着物だけでなく、未利用の反物が山積みされ、それをリサイクルショップを開店させて販売されている「リユースネットワークジャパン」さんの取り組みに賛同して、そのお店で調達した未利用で処分前の布地でカバンなどを腕の確かな人につくってもらい、販売する取り組みを細々としていたのが2013年前後のこと。
その時にある方から肩掛けカバンをご注文いただき、作製したのですが、完成品をご覧になった別の方からの「ぜひ譲ってほしい」との強いご希望でその方に売ってしまいました。
123624426_1519881248205538_7223253780534444523_nその後、ご注文主に合うようなものをつくることもできずに月日が流れてしまいました。
そして最近になって確かな腕の方、ステキな布地にご縁があり、大変な遅さではありますが、数年前のご注文主のたまに作っていただきました。
それを今はもうお忘れになっているかもしれないご注文主にお贈りします。
さて、前回記しました、スキャン後の用紙を送った「PELP!」の山陽製紙社員様から、到着して重量をはかっている写真を送っていただきました。
かなりのスローペースではありますが、あらゆるモノを、できるだけ「巡る」ことに加担していこうと思っています。
前述の通り今、身の回りに蓄積された書類を片っ端からデジタル化、スキャン済みの用紙は山陽製紙のサービス「PELP!」に送っています。